足利義政の生涯は、まさに室町幕府の絶頂期と崩壊の始まりが交錯する激動そのものでした。1436年に第6代将軍・足利義教の男子として生まれ、兄である第7代将軍・義勝の急死を受けて、わずか13歳で室町幕府の第8代将軍に就任します。
若き日の義政は決して無能ではなく、父・義教の強権政治を目指して自ら政務に励み、幕閣の統制を試みる野心を見せていました。しかし、有力守護大名である細川氏や山名氏が政治を牛耳る体制を打破することは叶わず、義政の意図した改革はことごとく挫折。政治的な無力感に苛まれる中で、次第に政治への情熱を失い、禅や芸術、建築といった文化活動へと逃避していくことになります。