すべての引き金となったのは、夜間の函館競馬場で発生した前代未聞の事案だった。函館港まつりの花火大会を観賞する目的で、自ら運転する乗用車で芝コース内に侵入し、馬場を損傷させた出来事である。日本中央競馬会(JRA)からの聴取に対し、角田騎手は同乗者がいたことや酒気帯び運転ではなかったことを説明していたが、事態の深刻さは彼の想像を遥かに超えていた。
当時の事情を知る競馬関係者によると、聴取直後の角田騎手は自らの行動が招いた事態の重さに強いショックを受け、精神的に追い詰められた状態にあったという。JRA公式サイト上で騎乗停止処分と裁定委員会への件名送付が発表された直後から連絡が途絶え、関係者による捜索が続けられていた。過ちに対する猛烈な批判と、突如として失われた騎手としての未来。その狭間で彼が感じていた孤立無援の苦悩が、最悪の結末を呼び寄せる結果となってしまった。