羂索の正体は、平安時代から1000年以上の長きにわたり脳を入れ替えることで他者の肉体を乗り換えてきた呪術師です。彼の生得術式は「他人の肉体を乗っ取る術式」であり、対象の頭蓋骨を開いて自らの脳を移植することで、その肉体が持つ呪力特性や生得術式、さらには肉体に刻まれた記憶まで完全に掌握します。
読者を最も震撼させたのは、劇場版『呪術廻戦 0』で死亡したはずの夏油傑の肉体を乗っ取っていた事実です。五条悟の手によって親友・夏油が討たれた後、遺体の処理を家入硝子に任せず放置してしまった一瞬の隙を羂索は見逃しませんでした。夏油が所持していた「呪霊操術」を手に入れたことで、羂索の千年越しの計画は一気に加速することになります。
では、羂索が何のためにここまでの凶行を重ねてきたのか。その真の目的は「呪力の可能性の探求」と「人類と天元の超常的同化」にありました。羂索自身、善悪の概念を超越し「自らの手で作れない混沌(カオス)を見たい」という純粋かつ狂気的な知的好奇心に突き動かされていました。世界を破滅させることそのものが目的ではなく、「自分が制御できないレベルの新しい呪力の形を見届けること」こそが彼の行動原理だったのです。