受刑者の多くは、入所からわずか数か月で血液検査の数値に劇的な改善を見せる。その最大の原動力が、前述した「麦飯」と徹底した「減塩」の組み合わせだ。高脂質・高塩分・低食物繊維になりがちな現代社会の食生活とは相反するメニューが、毎日規則正しく提供される。
間食や夜食の余地がなく、夕食から翌朝の朝食までに十分な消化時間が確保される点も無視できない。高血圧の改善や内臓脂肪の減少、腸内環境の適正化など、現代のヘルスケアが目指すべき要素が自然と組み込まれている。暴飲暴食の誘惑に晒される現代人にとって、刑務所の献立システムは、ある意味で最も理にかなった生活習慣病予防プログラムと言える。