織田の真骨頂は、一筋縄ではいかない多面的な人間性を体現する演技力にある。伝説的な医療サスペンス『振り返れば奴がいる』で魅せた冷徹な天才外科医・司馬江太郎役。鋭い眼光と内に秘めた圧倒的な孤独感は、お茶の間に衝撃を与え、ダークヒーローとしての存在感を確立した。
一方で、映画やテレビで大規模に展開された『外交官 黒田康作』シリーズでは、国益を守るために冷徹な決断を下しながらも、内面に熱い信念を秘めたタフな交渉人を重厚に演じきった。冷徹さと情熱。一見すると対極に位置するこれらのキャラクターであっても、彼が一貫して注ぎ込んできた「役に対する異常なまでの執着とリアリティ」が脈々と息づいている。