中学校・高校の定期テストや大学入学共通テストにおいて、『枕草子』第一段は最も出題頻度の高い古文素材です。ここでは、試験で確実に得点するための重要単語の解説と、文法・品詞分解のポイントを厳選して解説します。
1. 「山ぎは(山際)」と「山の端(やまのは)」の決定的な違い
テストの記述問題や選択肢問題で最も狙われやすいのが、春の「山ぎは」と秋の「山の端」の意味の違いです。
- 山ぎは(春):山に接している「空」の部分。山と空の境目にある空の色(グラデーション)を指す。
- 山の端(秋):空に接している「山」そのものの尾根・輪郭のライン。夕日が山そのものの端に沈んでいく情景を指す。
「山ぎは=空」「山の端=山」という対比関係は、テストで確実に問われる定番知識です。
2. 古文の最重要語「をかし」と「あはれ」の違い
清少納言の文学は「をかしの文学」、紫式部の『源氏物語』は「もののあはれの文学」と対比されます。この2つの感情表現の違いを正確に把握しておくことが不可欠です。
- をかし:知性に基づいた「面白い」「趣がある」「洗練されていて素敵だ」という前向きで客観的な感嘆。
- あはれなり(あはれ):感情に直接訴えかける「しみじみと心打たれる」「哀愁がある」「切ない」という主観的・情緒的な感動。
秋の段で、カラスが飛び急ぐ様子には「あはれなり」、雁が小さく連なる様子には「いとをかし」と使い分けられている点に注目してください。
3. 主要文法の品詞分解ポイント一覧
定期テストで出題される品詞分解の重要箇所をまとめました。
- やうやう:副詞(意味:しだいに、だんだんと)
- 紫だちたる:タ行四段活用動詞「紫だつ」連用形 + 存続の助動詞「たり」連体形(意味:紫がかっている)
- たなびきたる:カ行四段活用動詞「たなびく」連用形 + 存続の助動詞「たり」連体形(意味:横に長く引いている)
- さらなり:ナリ活用形容動詞「さらなり」終止形(意味:言うまでもない、「〜はさらなり」の形で頻出)
- つきづきし:シク活用形容詞「つきづきし」終止形(意味:ふさわしい、似つかわしい)
- わろし:ク活用形容詞「わろし」終止形(意味:よくない、感心しない、興ざめである ※「あし(最悪)」ほどではないが「よくない」状態)