昭和からバブル経済の頂点に至る時代、サラリーマンは文字通り「企業戦士」と呼ばれていた。休日返上は当たり前、体調不良でも出社することが誠意とされ、社内コンプライアンスという概念すら存在しなかった。組織のために個人を殺すことが、結果として右肩上がりの給与と終身の身分保障を約束していたからだ。
しかし、現代の労働環境との比較は強烈なギャップを浮き彫りにする。デジタルツールの浸透による圧倒的な業務効率化、厳格な残業規制、そして何より「会社は個人を最後まで守ってくれない」という現実味が広く共有されたことだ。モーレツな働き方が消えた最大の理由は、単なる労働者の意識の変化にとどまらない。労働の「量」が直接的な成果に結びつかなくなった現代産業構造への不可避な転換にあったのだ。