一方で、長年愛されてきた老舗食堂が常に順風満帆だったわけではない。全国の地方都市が抱える店主の高齢化や後継者不足、原材料費の高騰という荒波は、当然のように押し寄せてきた。過去には一時的な休業や店舗の整理を余儀なくされた時期もあり、ファンの間には大きなショックと焦りが広がった。
しかし、そこで途絶えなかったのがこの店の凄みである。伝説の味を未来へ繋ごうとする関係者の尽力と、全国のファンからの熱い声援が後押しとなり、その味のDNAは現代へと継承されている。時代の変化に対応しながらも、守るべき伝統の軸をぶれさせない姿勢。これこそが、数ある名店の中でも一目置かれ続ける最大の理由だ。