そもそも「しゃばい」という言葉の根底にあるのは、仏教用語に由来し、転じて刑務所や警察の留置場などの「外の世界」を指すようになった「シャバ(下界・娑婆)」という隠語だ。服役者やアウトローの世界において、過酷な規律のなかに身を置く者から見れば、外の生ぬるい環境でぬくぬくと生きている人間は「甘い」「へなちょこ」に映る。ここから「シャバい=根性がなく、軟弱で頼りない様子」を意味する形容詞として定着した歴史がある。
昭和後期から平成初期にかけては、ツッパリ文化や不良漫画のセリフとして盛んに消費された。しかし、暴力的なヤンキーカルチャーが徐々に衰退するにつれ、この言葉も一時的に表舞台から姿を消し、死語のアーカイブへと格納されたかに思われていた。