榊マリコという象徴的キャラクターに命を吹き込み続けてきた沢口靖子。彼女の役に対するアプローチは、年々深みを増している。最新シーズンにおいて彼女が向き合うのは、単なる物証の特定にとどまらず、「データが示す事実」と「そこに存在する人間の感情」との間で葛藤する高度な心理描写だ。
実在する研究機関や警察関係者への徹底的なリサーチを重ね、専門用語のアクセントひとつにも妥協しない姿勢は健在。専門家も驚くほどの精密さで鑑定器具を扱う手の動きや、真実に辿りついた瞬間の澄み渡る眼差しは、観る者を一瞬でドラマの世界へと引き込む。科学捜査の最前線を走るマリコの挑戦は、そのまま沢口自身の演技へのあくなき探求心と重なり合っている。