香川県のハンドボール史を語るうえで、県立香川中央高校の存在を抜きにすることはできない。同校ハンドボール部は、全国高校総体(インターハイ)や全国高校選抜大会において何度も全国の頂点に立ち、数々の日本代表選手を輩出してきた。
都市部の私立強豪校が全国から有望選手を集める現代の高校スポーツ界において、地方の公立高校が常に全国トップレベルを維持し続ける現象は異彩を放つ。その強さの源泉は、徹底された戦術理解と、ミリ単位で突き詰められた基本技術の反復にある。
なぜ公立校が常勝軍団になり得たのか
香川中央高校の強みは、単なる精神論ではない。相手のディフェンスシステムを瞬時に分析し、数的な優位を作り出す緻密な戦術的アプローチにある。コート上の6人のフィールドプレイヤーとゴールキーパーが、まるで一つの生き物のように連動する。
体格で上回る関東や九州の強豪校に対し、機動力とパスワーク、そして組織的なダブルチームで対抗するスタイルは、日本のハンドボールにおける一つの完成形と称される。高校時代の過酷な鍛錬と戦術理論の叩き込みが、選手たちのその後の競技人生を支える強固な土台となる。