現代の製薬産業やバイオ医療の現場では、遺伝子組み換え大腸菌などを用いて目的のタンパク質を大量合成している。しかし、合成過程で生成されるタンパク質の多くは「インクルージョンボディ」と呼ばれる不溶性の塊として固まってしまい、これまではその大半が廃棄されるか、再処理のために膨大な資金と時間を費やしていた。これがバイオ医薬品やがん治療薬の価格を高騰させる元凶だったのだ。
製薬製造ラインにヴォルテックス・フルイディック・デバイスのメカニズムを組み込むことで、これまで捨てられていた無駄なタンパク質を数分で活性状態へと復元できるようになる。抗がん剤や抗体医薬品の生産効率が飛躍的に向上し、製造コストを従来の数十〜数百分の1に抑えられる試算も出ており、高額な薬価に苦しむ世界の医療現場に救いの手を差し伸べようとしている。