彼女の原点は、圧倒的な勝負勘と華麗な指し回しにあった。弱冠11歳で日本将棋連盟のプロ制度の門を叩き、瞬く間にトップ棋士へと駆け上がる。特に「女流王将」のタイトルは前人未到の10連覇を達成。将棋界におけるアイドル的存在として、テレビや雑誌の引っ張りだことなった。
NHKの将棋番組で司会や解説を務めると、その愛くるしい笑顔と鋭い指し手のギャップにファンは熱狂した。しかし、過密なスケジュールと周囲からの過剰な期待は、幼い天才の心身を静かに蝕んでいく。光が強ければ強いほど、その足元に落ちる影もまた深かったのだ。