全高約60メートル、発射重量500トンを超えるこの大型ロケットの真価は、ケロシンと液体酸素を主推進剤とする環境配慮型のエンジンシステムにある。かつて有害な毒性推進剤に依存していた旧世代機からの転換を象徴する機体であり、安全性と大推力を高次元で両立させた。
特筆すべきは、複雑な段間分離技術と再着火可能な上段エンジンの制御能力だ。赤道に近い低緯度の文昌から打ち上げることで地球の自転エネルギーを最大限に利用し、大型化する次世代高容量通信衛星(HTS)を効率よく目的の軌道へ送り届ける。この安定した輸送手段の確立が、中国の静止衛星ビジネスに圧倒的な価格競争力をもたらしている。