高橋氏の思考は、彼が描いた『遊☆戯☆王』の物語構造そのものにも深く根を下ろしている。「週刊少年ジャンプ」で連載された同作は、表向きはスリリングなカードバトルマンガだが、その骨組みには強烈な社会批判とディストピア的政治風刺が埋め込まれていた。
巨大企業「海馬コーポレーション」による都市の支配、狂気的な資本主義の暴走、そして格差社会の歪み。これらはまさに少年漫画の枠組みを借りて描かれた現代社会の暗部である。高橋氏は、ゲームという「ルールが存在する世界」を通して、現実世界の不条理や権力構造の理不尽さを告発し続けていた。あのInstagramの投稿は突然変異ではなく、彼が描いてきた物語の延長線上に位置する必然の表現だったと言える。