迎え舌は単なる行儀の悪さや意識の問題だけでなく、口周りの筋肉や骨格、解剖学的な身体的要因によって引き起こされているケースが少なくありません。
代表的な身体的要因として注目されているのが以下の3点です。
① 口腔筋機能の低下(低位舌)
日常的に口呼吸をしている人や、柔らかいものばかり食べて咀嚼筋が衰えている人は、舌が本来収まるべき上あごの位置(スポット)に収まらず、下のあごに落ち込む「低位舌(ていいぜつ)」になりがちです。舌の筋力が弱いため、食べ物を口の中へスムーズに引き込む動作がうまく機能せず、迎え舌が発生しやすくなります。
② 骨格や歯並びの影響
受け口(反対咬合)や出っ歯(上顎前突)、前歯が噛み合わない「開咬(かいこう)」の場合、唇をしっかり閉じるのが難しく、嚥下(飲み込み)の際に舌を前に突き出す異常嚥下癖が身についてしまうことがあります。
③ 舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)
舌の裏側にあるヒダ(舌小帯)が生まれつき短かったり硬かったりする状態です。舌を上にあげたり奥へ引いたりする可動域が制限されるため、食べ物を取り込む際に舌を前にペタッと出すしかなくなります。この場合は本人の努力だけでの改善が難しく、歯科や口腔外科での適切な診断や処置が推奨されます。