赤い髪をなびかせ、自信過剰で粗暴な不良少年として登場した桜木花道。だが、彼の物語は「天才」と自称するハッタリが、汗と血の滲む努力によって真の強さへと変わっていく泥臭いプロセスそのものだ。20000本におよぶ合宿シュートの愚直な反復練習や、リバウンドに己の存在意義を見出していく姿は、現代のスマートさばかりがもてはやされる時代において、泥臭い努力の崇高さを強く突きつけてくる。
土壇場で見せる常識外れのプレイは、計算され尽くした戦術を軽々と凌駕する。山王工業戦で腰を痛めながらも「俺は今なんだよ!」と叫んだシーンは、スポーツ漫画史を代表する名場面として今なお語り継がれている。彼の存在は、挫折や未熟さを抱えるすべての人々にとって、限界を超えるための永遠の触媒であり続けているのだ。