伊右衛門を語る上で欠かせないのが、パートナーシップを結ぶ「京都福寿園」の存在です。福寿園は、寛政二年(1790年)に初代・福井伊右衛門が京都の地で創業した名門茶舗。200年以上の歴史の中で、お茶の伝統を守りながらも常に革新を続けてきた老舗中の老舗です。
ブランド名の「伊右衛門」という名前の由来は、まさにこの創業者の名前に直結しています。「伝統的な茶文化の粋を、現代の日常に気軽に届けたい」という志を受け継ぎ、サントリーとの共同開発がスタートしたのは2000年代初頭のことでした。当時、缶やペットボトルの緑茶はすでに各社から発売されていましたが、「茶舗の本格的な味わいには到底及ばない」とされていた時代です。
サントリーの開発陣と福寿園の茶匠たちは、数百回に及ぶ試作とテイスティングを重ね、茶葉のブレンド比率、焙煎温度、粉砕の粒度に至るまで徹底的な検証を実施。伝統の宇治茶づくりで培われた「合組(ごうぐみ:茶葉のブレンド技術)」を工業生産のラインに落とし込むという難題をクリアしたことで、2004年の初代「伊右衛門」が誕生しました。単なる企業間のタイアップではなく、200年の茶匠のプライドが宿っているからこそ、伊右衛門ブランドは唯一無二の品格を保ち続けています。