店内に足を踏み入れると、一蘭の象徴とも言える「味集中カウンター」が目に入る。隣席との間が仕切られ、正面には暖簾が下げられたこの特殊な空間は、創業者の吉冨学氏が「お客様に誰の目も気にせず、目の前の一杯だけに集中してほしい」という想いから発明したものだ。特許も取得しているこの構造は、プライバシーの保護だけでなく、厨房から最速でラーメンを提供する機能美も兼ね備えている。
従業員と直接顔を合わせることなく、オーダー用紙とボタン一つでやり取りが完結するシステムは、現代の省人化ニーズにも合致している。カウンターに座り、お水が湧き出る専用の蛇口から水を注ぐ瞬間から、日常の喧騒から切り離された特別な食の儀式が始まるのだ。