世界規模で複婚の実態を比較した際、統計上の割合が最も高い地域は西アフリカから中央アフリカにかけてのベルト地帯です。
国際的な人口統計調査によると、セネガル、ブルキナファソ、マリなどの一部地域では、既婚女性の約25%〜35%が一夫多妻婚の世帯で生活しています。これらの地域では伝統的な首長制や慣習法が根強く、複数の妻を持つことが家長の経済力や社会的威信(ステータス)を示す指標として機能しています。
一方で、世にも珍しい「一妻多夫制(女性1人に対して複数の夫)」を認めてきた文化圏も世界には存在します。
代表的な事例が、チベット高原の伝統社会やヒマラヤ山脈周辺(ネパールの一部山岳地帯)、南インドのトダ族などです。これらの極限環境では、兄弟全員が1人の女性と結婚する「兄弟的一妻多夫制」が採られてきました。限られた農地や放牧地を兄弟間で分割相続して細分化・貧困化するのを防ぎ、一族の財産を集約して過酷な環境を生き抜くための合理的生存戦略として形成された制度です。