政務活動費不正発覚事件の引き金となったのは、領収書の添付義務がない項目を悪用した手口である。当時の制度では、一定額以下の交通費に関して領収書を免除する抜け穴が存在した。元議員はこのルールを巧みに突き、存在しない城崎温泉訪問を大量にでっち上げることで、毎月数十万円単位の公金を懐に入れていた。
公金を預かる立場でありながら、チェック体制の甘さに乗じて私腹を肥やす。この手口が暴かれた背景には、市民団体による情報公開請求と、不審な収支報告書を見逃さなかったメディアの地道な取材活動があった。税金の使い道をチェックする仕組みがいかに容易に形骸化するかを示す象徴的な事件となったのである。