一口に顔色が悪いと言っても、その背景にある病態は様々だ。最も頻繁に遭遇するのが、毛細血管の収縮によって引き起こされる血行不良である。長時間のデスクワークや運動不足、冷えが引き金となり、皮膚表面に必要な酸素と栄養が行き渡らず、全体が暗くどんよりと沈んでしまう。
女性を中心に著しい増加を見せているのが鉄欠乏性貧血だ。血液中で酸素を運ぶヘモグロビンが激減することで、顔面から赤みが完全に失われ、紙のように青白い顔色を呈する。階段を上る際の息切れや立ちくらみが同居しているなら、速やかな鉄分補給と精密検査が欠かせない。
また、自律神経の乱れが直接の要因となる自律神経失調症も見逃せない。交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行かなくなると、血管のコントロールが不全に陥り、顔面が急激に青白くなったり、逆に不自然な赤みが出たりと不安定な挙動を見せる。
そして最も厳重な警戒を要するのが、顔や白目が黄色く変色する黄疸の症状だ。これは肝機能障害や胆道系の異常によって、血液中にビリルビンという黄色い色素が増大することで発生する。全身の倦怠感や茶褐色尿を伴う場合は、迷わず専門医の手による精査を受けるべきだ。