世界的ダンサーとして君臨する菅原小春がもたらしたコンテンポラリーダンスの身体感覚は、三浦春馬のアプローチに激震を与えた。型にはまった演技を壊し、全身の細胞を解放するインプロビゼーションの感覚。感情を言葉ではなく、指先の震えや重心の移動だけで伝える手法を、彼は貪欲に吸収していった。
日本の舞台芸術において、これほど劇的に身体性を革新させた俳優が他にいただろうか。菅原小春の持つ強靭かつしなやかなステップ、身体の軸を自在に崩すグラウンディングの技術。それらは三浦春馬の体内に染み込み、演劇という静的な空間にダイナミックな躍動感をもたらした。二人が共有した肉体表現の美学は、単なる技術の伝授にとどまらず、互いの魂を削り合うような芸術的昇華に他ならなかった。