見上げれば、青空を覆うほどの枝を広げるクスノキやムクノキ。京都御苑には、樹齢数百年を数える巨木がそこかしこに根を張っている。足元には落ち葉が絨毯のように敷き詰められ、都心部でありながら原生林に近い豊かな土壌が保たれている。
バードウォッチャーたちの聖地としても知られる苑内では、オオタカやアオバズク、冬になれば色鮮やかなルリビタキの姿も見られる。母と子の森や閑院宮邸跡の庭など、場所ごとに異なる表情を見せる水辺や木々は、人間だけでなく無数の生きものにとってもかけがえのないシェルターだ。歩道脇にひっそりと咲く野草に目を留めるだけで、季節の歩幅を肌で感じ取ることができる。