この空前のムーブメントを陰で牽引したキーパーソンの一人が、熊本県出身のクリエイター・小山薫堂氏だ。映画『おくりびと』をはじめ、数々の文化・エンターテインメント作品を世に送り出してきた同氏の視点は、日本の「湯道」やおもてなし精神を現代のグローバルエンターテインメント産業へと巧みに昇華させた。
小山氏のアイデアは常に斬新だ。単に温泉の効能や美しさを伝えるのではなく、そこに集う人々の人間模様やローカル文化の深みを物語として紡ぎ出す。これにより、従来の温泉レジャー産業が抱えていた国内中心の集客モデルは一変。アジアや欧米からも多くの旅行者が熊本を訪れるきっかけを作った。