押し紙は倫理的な問題にとどまらず、法的に明確な違法性を帯びています。具体的には、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)第19条が禁じる「不公正な取引方法(優越的地位の濫用)」に該当します。
優越的な立場にある新聞本社が、契約解除や取引条件の悪化といった力関係を背景に、販売店に対して不当に不利益な購入を強制することは明白な法律違反です。さらに、公正取引委員会は新聞業界に対して独自の告示である「新聞業における特定の不公正な取引方法(新聞特殊指定)」を定めています。
この新聞特殊指定の第3条第1項において、「発行業者が新聞販売業者に対し、正当な理由がないのに、自己の指定する部数を注文させ、その部数の新聞を供給すること」が固く禁じられています。法文上は明確に禁止されているにもかかわらず、販売店側が声を上げれば「看板(専売契約)を剥奪される」という恐怖から泣き寝入りを強いられ、公取委の監視も長年及びにくい状態が続いていました。