離婚から数年が経過した頃、長男の身体的徴候や視力に関する遺伝的影響を確認するため、大沢氏は医療機関を通じて海外での詳細な遺伝子検査を実施した。そこで突きつけられたのが、「父子確率0%」という残酷なデータだった。
自らの耳を疑った大沢氏は、複数の専門機関で再度の検査を行ったが、結論が覆ることはなかった。信じていた前提が崩れ去った瞬間だった。葛藤の末、大沢氏は法的関係を明確にするため東京家庭裁判所へ親子関係不存在確認訴訟を提起した。
日本の民法では、結婚期間中に懐胎した子は夫の子と推定される(嫡出推定)。長年経過した後にこの推定を覆すことは極めて困難とされていたが、裁判所は提示された科学的証拠の客観性と絶対性を重視。2015年秋、大沢氏と長男の間に法的な親子関係は存在しないとする判決が確定した。これにより、長男は戸籍上も大沢氏の実子ではないことが法的に決定づけられた。