西部邁氏の直接的な死因は多摩川への入水による溺死です。2018年1月21日の早朝、東京都大田区田園調布の多摩川河川敷で、川の中に沈んでいる西部氏の遺体が通行人によって発見されました。
警察が駆けつけた現場には、通常の入水自殺とは大きく異なる異常な痕跡が残されていました。西部氏の遺体は工事用の安全ベルト(ハーネス)を装着し、両手首をロープで縛られ、川岸の杭にワイヤーで連結された状態だったのです。現場付近には本人の靴や遺書、身分証明書が整然と置かれており、計画的な行動であることは明白でした。
なぜ両手を縛り、川岸の杭に体を固定する必要があったのか。その理由は「確実に入水し、かつ遺体が下流へ流されて周囲に過度な迷惑をかけないため」という極めて合理的な計算によるものでした。しかし、身体が不自由だった西部氏が単独でこれほど厳重な結束や器具の装着を行うことは物理的に不可能であり、事件当初から第三者の介在が強く疑われることとなりました。