武田邦彦氏が展開する主張の根幹には、一般的な医学的常識を根底から揺さぶる独自のデータ解釈が存在する。彼が著した書籍『タバコは吸っても病気にならない』でも触れられている通り、日本の喫煙率は過去数十年で激減したにもかかわらず、肺がん患者数や死亡者数は増え続けているという統計的矛盾を提示する。一見すると説得力を持つこの数字の提示こそが、多くの支持者を惹きつける最大の要因だ。
武田氏はまた、喫煙がもたらす精神的なリラックス効果やストレス解消、自律神経への好影響を強調する。極端な禁煙による過度なストレスこそが健康を害するという論理だ。だが、この「衝撃データ」には裏がある。専門家からは、高齢化に伴う人口構造の変化や、喫煙から発がんまでに数十年を要する「タイムラグ」が無視されているとの批判が相次ぐ。独自データの提示と医学的解釈の乖離、それこそがこの主張をめぐる議論の核心と言える。