1932年、京都府京都市に生まれた吉田竜夫氏は、幼少期から卓越した絵の才能を発揮していました。戦後の混乱期に家計を支えるため、早くから挿絵画家や絵看板の仕事に従事。その後上京し、1950年代半ばから人気漫画家としてのキャリアを本格化させます。『鉄腕力也』や『少年忍者部隊月光』などのヒット作を連発し、劇画黎明期を代表する旗手として少年たちの心を鷲掴みにしました。
当時の漫画界において、吉田氏の画風は極めて異彩を放っていました。日本人離れしたダイナミックな構図、ハリウッド映画のカメラワークを意識したコマ割り、陰影を強調したリアルなデッサン力は、すでにアニメーション的な躍動感を宿していたのです。紙の上だけでは表現しきれない「動く映像への情熱」が、吉田氏をアニメ制作の道へと突き動かしていきました。