海外現地での実地調査やビジネス現場のヒアリングにおいて、日本人学習者が最も失敗しやすいポイントとして挙がるのが「イントネーションと声のトーン」です。「What's the matter?」は語彙自体に失礼な要素はありませんが、語尾を平坦に下げて無表情で発音すると、「何か文句でもあるのか」「邪魔をしないでくれ」という拒絶のサインとして受け取られかねません。
相手を純粋に気遣う際には、声のピッチをやや高めに保ち、語尾の「matter」に優しい余韻を残すイントネーションが求められます。実際の発音面においては、「What's the」がスムーズにつながり、「matter」の「tt」がアメリカ英語では軽い「d」または「r」のような音に変化するため、全体として「ワッツァマラー(/wʌts ðə ˈmætər/)」のように滑らかに発声されます。この音の連結を意識するだけでも、相手に与える威圧感を劇的に低減させることが可能です。
また、前述した「What's the matter with you?」は、映画やドラマの口論シーンで頻出する攻撃的フレーズです。「あなたにどんな不都合があるの?」という直訳とは裏腹に、「頭はおかしくなったのか」という強い非難を意味するため、職場の同僚や取引先に対して誤用しないよう細心の注意が必要です。