教育環境を求めてこの地に引っ越してくる世帯の勢いも止まらない。「3S1K」と呼ばれる伝統の公立小学校——誠之(せいし)小、千駄木(せんだぎ)小、昭和(しょうわ)小、窪町(くぼまち)小。これらの学区内に住むこと自体が、首都圏の子育て層にとって一種のステータスと化している。
「学区指名で物件を探すお客様が後を絶ちません。新築・中古を問わず、条件に合う物件が出れば即日で買い手が付く状況です」。ある大手不動産仲介業者の担当者は苦笑交じりに明かす。中学受験率が都内トップクラスを誇る文京区では、公立小学校自体の教育レベルや学習意欲が極めて高いことで知られる。
塾に通わせる以前に、日常の住環境そのものを教育投資とみなす親たち。過熱する学区争奪戦は、周辺の家賃相場やマンション価格を押し上げる主要な要因となっている。