王馬小吉というキャラクターを解読する上で欠かせないのが、探偵である最原終一との緊張関係だ。最原終一は、どれほど残酷であっても「真実」を暴き出し、それに耐え抜くことを己の矜持とする。対照的に王馬は、時として真実以上に強力な力を持つ「嘘」を武器に、歪んだ現実に抗おうとした。
「嘘は時に、真実よりも優しく、そして強い」——作中で提示されるこの対立軸は、プレイヤーに対して重い問いを突きつける。最原の追及する正義の真実が時に仲間を絶望へ追い込む一方で、王馬のついた嘘が皮肉にも真相への道筋を裏から補強していたという逆説。二人の交錯は、ミステリー・アドベンチャーゲームというジャンルが到達した一つの最高峰の対話劇と言える。