突然の別れから長い年月が流れ、南夕子と北斗星司の物語は平成・令和の時代になって真の救済を迎えることになります。
最大の転機となったのは、2007年に放送された『ウルトラマンメビウス』第44話「エースの願い」でした。このエピソードで星光子さんは、実に34年ぶりに南夕子役としてウルトラシリーズへの客演を果たします。看護師長として働きながら月を見上げる夕子と、地球の危機に駆けつけた北斗星司がテレパシーで心を通わせるシーンは、かつてリアルタイムで涙を呑んだ昭和のファンを感涙させました。かつての唐突な「月星人」設定が、30余年の時を経て公式に最高の形で肯定された瞬間でした。
さらに2008年公開の劇場版『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では、パラレルワールドの横浜を舞台に、北斗星司と南夕子が夫婦としてベーカリーを営んでいるという奇跡の設定が実現します。2人の間には愛娘がいる設定となっており、その長女・七海役を演じたのは、なんと星光子さんの実の娘である女優の紫子(たかこ)さんでした。実の親子共演によって紡がれた温かな家庭の姿は、昭和の本編で引き裂かれた2人を知るファンにとって、これ以上ない究極のハッピーエンドとして受け止められました。
2026年現在、星光子さんは舞台演劇を中心に表現者としての円熟味を増す一方、特撮イベントやトークショーにも精力的に登壇しています。娘の紫子さんとの温かな絆を大切にしながら、今なおファンから寄せられる「夕子さん」への声援に笑顔で応え続けています。かつての葛藤や悔しさを乗り越え、自らが演じたキャラクターを誇りとして抱きしめる星さんの姿は、多くの人々に勇気を与えています。