公共放送の顔として国民的な信頼を得ている日本放送協会。その看板を下ろしてフリーへ舵を切るアナウンサーが後を絶たない。外から見れば最高峰の職場環境や安泰なキャリアが約束されているように思えるが、現場の胸中は複雑だ。
決断の裏にあるのは、組織人としての限界と表現者としての渇望。厳格な中立性とガバナンスが求められる組織では、個人の意見や独創的な企画を通すことに大きな壁が存在する。50代を目前に管理職への登用が迫る中、「一生現場でマイクを握り続けたい」という思いと「組織の歯車で終わりたくない」という焦燥感が背中を押すのだ。