土曜日の祝日に振替休日がつかない理由は極めてシンプルで、「国民の祝日に関する法律(祝日法)」の条文に土曜日に関する規定が存在しないからです。
祝日法第3条第2項には、「『国民の祝日』が日曜日に当たるときは、その日後において、その日に最も近い『国民の祝日』でない日を休日とする」と明記されています。法律の文言が明確に「日曜日」と限定しているため、祝日が土曜日に重なったとしても、法律上は振替休日を設ける義務が一切発生しません。
この振替休日の規定が導入されたのは1973年(昭和48年)のことです。当時の日本社会は「週休1日制(日曜日のみ休み)」あるいは「半ドン(土曜午前のみ勤務)」が一般的でした。日曜日が祝日と重なると、本来得られるはずだった唯一の法定休日が祝日に上書きされて休めなくなってしまうため、「日曜日と重なった場合のみ翌日を休みにする」という救済措置が作られたという経緯があります。
つまり、土曜日がもともと労働日だった時代のルールがそのまま残っている結果、週休2日制が当たり前となった現代社会との間に大きな制度的ギャップが生じています。