バンドのフロントマンであり稀代のメロディメーカーである桑田佳祐は、本作の制作過程においてかつてないほどの葛藤と試行錯誤を重ねていた。圧倒的なキャッチーさを持ちながらも、聴く者の琴線に触れる繊細なコード進行。その絶妙なバランスを生み出すために、スタジオでのセッションは深夜に及ぶことも珍しくなかったという。
サザン特有の波のようなグルーヴ感と、感情が溢れ出すような劇的な転調。桑田が紡ぎ出した言葉とメロディの融合は、単なる歌謡曲の枠組みを超えた芸術性を獲得することとなった。楽曲完成の瞬間、スタジオにいたスタッフ全員が言葉を失い、静かな確信を抱いたという逸話は、ファンの間でも伝説として語られている。