トランプ氏と主要メディアが修復不可能なレベルで対立し続ける背景には、明確な構造的要因があります。多くの有権者が気になるトランプ氏のメディア批判の理由は、単なる個人的な怒りではなく、極めて計算されたポピュリズム戦略の一環です。
トランプ陣営は、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、そしてCNNといったリベラル寄り大手メディアを「ワシントンの既得権益層と結託したエリート集団」と位置づけました。CNNの偏向報道をトランプ氏が激しく糾弾し、ホワイトハウスの記者会見で記者と直接衝突する姿を見せることで、支持基盤(MAGA層)に対して「自分は腐敗した巨大権力と戦う唯一の代弁者だ」という強固な物語を印象づけたのです。
その象徴的な出来事が、2018年1月に発表された「フェイクニュース大賞(Fake News Awards)」でした。トランプ氏は自身の公式発表プラットフォーム上で、主要メディアの誤報や誇張報道をランキング形式で発表。メディア側の取材ミスを徹底的に晒し上げ、報道機関全体の信頼性を根底から揺さぶる前代未聞のパフォーマンスを展開しました。