町田啓太のNHKキャリアを語る上で欠かせないのが、大河ドラマにおける圧倒的な存在感です。彼はこれまでに『西郷どん』(2018年)、『青天を衝け』(2026年)、『光る君へ』(2026年)の3作品に出演し、それぞれ全く異なる時代背景と人物像を見事に具現化してきました。
『西郷どん』で演じたのは、幕末の薩摩藩家老・小松帯刀。若くして藩の重責を担い、西郷隆盛や大久保利通らと共に激動の時代を駆け抜けた知将を、落ち着いた所作と理知的な眼差しで好演しました。政治的な駆け引きの中で見せる静かな気迫は、大河ドラマファンから高い評価を受けました。
そして『青天を衝け』における新選組副長・土方歳三役は、まさに語り草となっています。「歴代最も美しい土方歳三」とSNSを席巻した完璧なビジュアルのみならず、日本刀を構えた際の鋭利な殺陣、そして主人公・渋沢栄一と心を通わせる場面で見せた武士の矜持と哀愁。動乱の幕末を駆け抜けたラストサムライの散り際を、圧倒的な熱量で演じ切りました。
さらに『光る君へ』では、平安中期の貴公子にして当代随一の歌人・藤原公任を演じ、平安貴族の装束を完璧に着こなす姿が話題を呼びました。単なる雅なエリートにとどまらず、政治の現実をシビアに見つめるリアリストとしての一面や、藤原道長ら同世代の貴族たちとの軽妙な掛け合いを繊細に演じ分け、役者としての奥行きの深さを改めて見せつけました。