天城流湯治法を語る上で欠かせないのが、創始者である杉本錬堂(すぎもと・れんどう)氏の存在です。静岡県伊豆市(旧天城湯ヶ島町)出身の杉本氏は、かつて野外活動の指導や地域おこし事業に深く携わっていた異色のバックグラウンドを持っています。
転機となったのは、自身の身体を襲った大怪我や大病でした。自らの身体を実験台にしながら、温泉を活用したリハビリテーションと、古武術や東洋医学、解剖学の知見を融合。身体の構造を徹底的に観察し直す中で、「筋肉が骨に張り付いて滞りを生んでいる」という法則を見出し、2001年に天城流湯治法としてのメソッドを体系化しました。
その後、杉本氏は一般社団法人天城流湯治法協会を立ち上げ、日本国内のみならずアメリカやヨーロッパなど世界各地でセミナーや指導者育成を展開。医師、歯科医師、理学療法士といった西洋医学の専門家とも共同で研究や講演を行うなど、単なる一過性のブームに留まらない確固たる地盤を築き上げています。