天然の砂風呂といえば、鹿児島県薩摩半島の南端に位置する指宿温泉を外すことはできない。海岸線からこんこんと湧き出る豊かな温泉熱を利用した「砂むし温泉」は、300年以上も前から地元の人々の健康を支えてきた歴史がある。
幕末の英雄・西郷隆盛もまた、この地に足繁く通い、傷ついた身体と心を癒やしたと伝えられている。大河ドラマ『西郷どん』のロケ地やゆかりの地としても話題を集め、歴史ファンにとっても聖地のような存在だ。さらに名作として知られる映画『男はつらいよ 寅次郎真珠の巻』にも登場し、昭和から令和に至るまで多くの旅人を魅了し続けてきた。
海岸の砂浜で湯気を立ち上らせる風景は、まさに指宿ならではの風物詩。歴史の息吹を感じながら砂に埋もれる体験は、時空を超えた旅の醍醐味を感じさせてくれる。