「わざわざ避難所へ移動したのに、結局大した風雨にならなかった」という体験が重ねられると、人は次の機会に避難をためらう「正常化の偏見」や「空振りへの抵抗感」を抱きがちです。
しかし防災の観点において、「結果としての空振り」は失敗ではなく、最善の予防的措置だったと評価されるべきです。台風が直前で進路を変えて難を逃れたとしても、それは「迅速な避難行動の予行演習ができた」と前向きに捉え直す必要があります。日没後の暗闇のなかでの避難作業は、転倒や足元にある冠水箇所の見落としなど事故のリスクが劇的に跳ね上がります。外が明るいうち、風雨が激化する前のタイミングで移動を済ませる英断が求められます。