言葉による政治表現の遺伝子は、父である小泉純一郎元首相の時代まで遡ることができる。「感動した!」「自民党を壊す」といった簡潔かつ強烈なフレーズで世論を味方につけた小泉純一郎氏のスタイルは、「ワンフレーズ政治」と称され、日本の政界に大きな旋風を巻き起こした。息子の進次郎氏が見せる語り口も、形を変えた言葉のフレーミング戦略と言えるだろう。
ドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』に象徴されるように、自由民主党をはじめとする永田町の言論空間では、政策の緻密さだけでなく「いかに国民の耳に残り、親しみやすさを生み出せるか」が問われてきた。複雑な社会問題を一瞬で単純化し、あるいはあえて曖昧に包み込むテクニックは、現代の政治家にとって諸刃の剣でありながら強力な武器となっている。