突然の訃報として受け止められた一方で、相撲界内部では親方の体調悪化が以前から懸念されていました。錣山親方の闘病生活は、晩年の数か月だけでなく、10年以上に及ぶ長い戦いでした。
親方は50代前半から不整脈などの心臓トラブルを抱えており、医師の指導のもと心臓ペースメーカーの植込み手術を受けていました。公の場で見せる引き締まった体躯とは裏腹に、心臓への負荷は極めて高く、毎日の体調管理と服薬治療が欠かせない状態が続いていたのです。
当時の特番インタビューや本人の手記において、親方は「土俵に立つ弟子たちに弱気な姿は見せられない」と語り、自らの病状を過度に公表することを嫌っていました。体調が優れない日であっても、稽古場に降り立ち、竹刀を手に弟子たちへ熱心な指導を行っていた姿が多くの関係者によって目撃されています。自身の命を削りながらも弟子の育成に情熱を注ぎ続けた日々は、まさに命懸けの相撲人生そのものでした。