かつてオカルトと同義に扱われがちだった超心理学の領域を、厳格な学術研究へと引き上げた立役者が精神医学者のイアン・スティーヴンソンだ。彼は1967年にバージニア大学内に研究室を創設し、世界中を飛び回って『生まれ変わりを特定した20の事例』をはじめとする膨大な学術論文を残した。かの天文学者カール・セーガンも、スティーヴンソンの研究手法の厳密さには敬意を表したほどだ。
その遺志を継いだのが、同じく精神科医であるジム・タッカーである。タッカーは統計的手法を導入し、子どもたちの記憶の強度や証言の正確性を数値化。前世の記憶を語る子どもたちの知能指数や心理状態が、一般的な子どもと何ら変わらない健全な状態であることを証明した。
彼らが現在取り組んでいるのは、「脳が意識を生み出している」という従来の唯物論モデルの再検討だ。テレビ受像機が壊れても電波そのものは空中に存在し続けるように、脳は意識を生み出す器官ではなく、外部の意識を受信するアンテナに過ぎないのではないか。量子力学の進展とともに、彼らの研究は脳科学や意識物理学の最前線と交差し始めている。