巡礼現場を取材すると、移動手段によって直面する課題が大きく異なる実態が浮き彫りになります。
歩き遍路体験談における最大の難関は、足のマメと筋肉痛、そして天候との闘いです。「最初の3日間で足裏全体が水ぶくれになり、リタイアが頭をよぎった」「高知県の足摺岬へ向かう延々と続く一本道で、孤独感に押しつぶされそうになった」という証言は少なくありません。しかし、そうした極限状態を乗り越えて第88番大窪寺へ辿り着いた瞬間の涙は、何物にも代えがたい人生の宝になると語られています。
一方、近年主流となっている車お遍路おすすめルートでは、山間部の狭隘道路(いわゆる「へんろ道険路」)への対応が鍵となります。第12番焼山寺や第60番横峰寺など、すれ違いが困難な山道や有料林道を通る札所が点在します。焦って1日に10ヶ所以上を詰め込むと事故のリスクが高まるため、1日あたり6〜8ヶ所程度を目安に、各札所の参拝時間(本堂・大師堂で約30〜40分)を確保したゆとりあるスケジュール設計が推奨されます。