長年にわたって愛される国民的長寿ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』への出演も、馬渕英里何という女優の底力を知る上で重要だ。橋田壽賀子脚本特有の長尺なセリフ回しと重厚な人間模様のなかで、彼女は見事に作品の世界観に溶け込み、家族の確執や絆を力強く表現してみせた。
学園ドラマの生徒役から、母親役、あるいは社会の光と影を背負う複雑な大人の女性まで。彼女が描いてきた役柄の幅広さは驚異的だ。作品の規模やジャンルを問わず、どんな世界観にも自然体で適応してみせる柔軟さこそが、彼女が長年トップランナーであり続ける最大の強みだろう。