「世界基準で作る」——言葉で言うのは易しいが、それを現場で実現するのは至難の業だ。今回我々の取材に応じたプロデューサーの言葉には、熱気と冷徹なリアリズムが同居していた。彼が明かしたプロジェクトの裏側には、緻密な計算と妥協なきクオリティへの執着が存在する。
「海外の観客は、日本特有のストーリーテリングに強烈な新鮮さを感じている。しかし、映像の質感やテンポ感でストレスを与えてしまえば、一瞬で離脱される」と小泉幸弘は語る。日本国内の成功体験を一度リセットし、グローバルで勝つためのパイプラインを構築すること。これこそが、彼が実践する最新戦略の核心だ。過酷なロケーション撮影や膨大なポストプロダクション作業の舞台裏では、チーム全体が共通の解像度で「世界最高のエンターテインメント」を目指す熱量が漲っていた。