安全な水道水を提供するためには、単に浄水場で水をきれいに処理するだけでは全く足りない。送水管の老朽化防止、定期的な水質検査、漏水対策、さらには各家庭の貯水タンクにおける衛生管理に至るまで、極めて緻密な水道インフラの維持管理が要求されるからだ。
世界保健機関(WHO)が定める飲料水水質ガイドラインをクリアするためには、厳格な殺菌・消毒工程が不可欠である。しかし、開発途上国はもちろん、財政難に苦しむ一部の先進国であっても、膨大な維持コストが重荷となり、末端の蛇口まで病原菌ゼロの状態で届けることが困難になっている。消毒用の薬液管理がずさんだったり、地下の水道管の亀裂から汚水が混入したりするトラブルは世界中で常態化している。