坂東三津五郎の人生を語る上で欠かせない存在が、盟友であり同時代を走り抜けた十八代目中村勘三郎だ。二人は若い頃から様々な試みでタッグを組み、歌舞伎界に新しい風を吹き込み続けた。互いを高め合うライバルであり、同時に何でも語り合える無二の親友でもあった。
勘三郎が先立つという悲劇に見舞われた際、三津五郎は深い悲しみを抱えながらも「彼の分まで歌舞伎を守り、未来へ繋ぐ」と強く誓った。その盟友の追悼と歌舞伎の発展に向けた強い思いが、病魔と闘う彼自身の大きな精神的支柱となっていたことは間違いない。二人が築き上げた熱い時代は、今も歌舞伎ファンの記憶に鮮烈に残っている。